2008年09月23日
寄生バチ?

もう1匹見つけた。
画像中央に動き出そうとしている個体。
その11時方向に手足を縮めた状態の個体。
どうもハチっぽく見える。

このほかにも居るかも知れない。
ひょっとしたらこのハチの生活史の一端でも観察できるかもしれない。
このまま様子を見るか。
しかしどこかにブ~ンと飛んで行ってしまったら全身の写真を撮るチャンスを失うかもしれない。
悩んだ末、取り出して写真を撮った。
2匹とも取り出したが1匹は飛んでしまい見失う。
他方の背面からの画像だが触角の一部が切れ腹部も圧迫してしまった。
パニックになったコロニーを注意深く見たがこの2匹以外は見当たらなかった。

側面から。
翅は4枚、ハチ目に間違いない。
腹部には多数の白いツブツブが透けて見える。
ツブツブが卵だとすると100個以上は内包しているように見える。
産卵管か尾部には針を備え出し入れしている。
メスである。
複眼単眼が発達している。
産卵活動に必要なんだろう。

見失っていたもう1匹を無傷で捕まえた。
こちらもメスだ。
動き回るのでエタノールに浸して写真を撮った。
半麻痺状態で、尾部の黒い突起の下から針が出し入れされる。

スケールのメモリは0.4ミリ。
体長は約3ミリ。

エタノールが乾いて動く状態をプラ板越しに撮った。
このハチはいったいどんな生活をしているのだろう。
オスはどこ?
目の発達具合から見て、羽化してからアリの巣に留まるのではなく屋外で活動する事が想像できる。
もし繁殖環境をアリに依存しているとすると、どこかで待ち受けるオスと交尾してまた卵をアリの巣に戻さなければならない。
どんな方法なんだろう?
寄生バチは種類によって様々な昆虫を宿主にする事が知られている。
トビイロケアリのワーカーのどこかに卵を精密機械の様に埋め込むのだろうか。
もっと別の方法があるのだろうか?
生活史を知りたいものである。
Posted by like a stream at 02:02│Comments(6)
│その他のアリの話題
この記事へのコメント
うちでも誕生したことがあります。
繭から生まれたので,幼虫に産卵され,アリの蛹を食べながら育つと想像していました。
でも,ハチの幼虫が自ら繭を張ったとも考えられますね。謎です。
繭から生まれたので,幼虫に産卵され,アリの蛹を食べながら育つと想像していました。
でも,ハチの幼虫が自ら繭を張ったとも考えられますね。謎です。
Posted by スラダケ at 2008年09月24日 23:41
スラダケさん、ようこそ。
繭から産まれましたか。
それが確認できただけでも貴重な情報です。
アリの巣の中には色々いますね。
このハチについて調べてみて何か分かったらまた結果を載せます。
繭から産まれましたか。
それが確認できただけでも貴重な情報です。
アリの巣の中には色々いますね。
このハチについて調べてみて何か分かったらまた結果を載せます。
Posted by release-windknot at 2008年09月25日 00:14
規制蜂の世界から遠ざかって数年がたつのであまり大きなことは言えないですが、たぶんコバチの仲間ではありません。
翅脈が全然違うんですよ。
そこで私の知ってる範囲でこれとよく似た翅脈を見たことあったな・・と思い、記憶をさかのぼるとアブラバチというアブラムシに寄生するコマユバチだったんです。
アブラバチの翅脈と件の寄生蜂の翅脈が本当にそっくりなんです。
私は大学の時、コバチとコマユバチをやっていたのでコバチじゃないとは言えます。
ただ、コバチとコマユバチ以外のハチに関しては無知に等しいのでまぁ参考意見までということで・・
翅脈が全然違うんですよ。
そこで私の知ってる範囲でこれとよく似た翅脈を見たことあったな・・と思い、記憶をさかのぼるとアブラバチというアブラムシに寄生するコマユバチだったんです。
アブラバチの翅脈と件の寄生蜂の翅脈が本当にそっくりなんです。
私は大学の時、コバチとコマユバチをやっていたのでコバチじゃないとは言えます。
ただ、コバチとコマユバチ以外のハチに関しては無知に等しいのでまぁ参考意見までということで・・
Posted by あにまりあ at 2008年10月22日 21:34
あにまりあさん、ようこそ。
翅脈で分かるところが凄いです。
コマユバチってモンシロチョウの幼虫から沢山の蛹が出てくるあの仲間ですね。
情報ありがとうございました。
翅脈で分かるところが凄いです。
コマユバチってモンシロチョウの幼虫から沢山の蛹が出てくるあの仲間ですね。
情報ありがとうございました。
Posted by release-windknot at 2008年10月22日 23:31
こんにちは。アリに寄生するハチについて調べていたところこの記事にたどり着きました。
ウィンドノットさんのブログは結構長く見させていただいているのですが、2008年のものは見ておらず今まで気づきませんでした。
画像のハチはヒメバチ科アリヤドリバチ亜科に属するHybrizon属の一種で、トビイロケアリから出てきたということで恐らくアリヤドリバチHybrizon buccatusだと思いますが顕微鏡で見てみないと断定はできません。こちらのハチはヒメバチの中でも特殊な翅脈をしており、以前はコマユバチに入れられていたこともありました。生態は行列を移動中のアリが持つ幼虫にとびかかって産卵し、内部からジワジワと食べ一年ほどかけて成長し、次の年に出てくることが知られています。
当方このハチの研究をしておりまして、同定に関しては間違いないと自負しております。
アリヤドリバチは北方を除いて全国的に珍しく、貴重なサンプルであると思われます。もしまだ標本がお手元にありましたら、よろしければお送りいただきたく存じます。
大変重要な記録です。ありがとうございます。
ウィンドノットさんのブログは結構長く見させていただいているのですが、2008年のものは見ておらず今まで気づきませんでした。
画像のハチはヒメバチ科アリヤドリバチ亜科に属するHybrizon属の一種で、トビイロケアリから出てきたということで恐らくアリヤドリバチHybrizon buccatusだと思いますが顕微鏡で見てみないと断定はできません。こちらのハチはヒメバチの中でも特殊な翅脈をしており、以前はコマユバチに入れられていたこともありました。生態は行列を移動中のアリが持つ幼虫にとびかかって産卵し、内部からジワジワと食べ一年ほどかけて成長し、次の年に出てくることが知られています。
当方このハチの研究をしておりまして、同定に関しては間違いないと自負しております。
アリヤドリバチは北方を除いて全国的に珍しく、貴重なサンプルであると思われます。もしまだ標本がお手元にありましたら、よろしければお送りいただきたく存じます。
大変重要な記録です。ありがとうございます。
Posted by 博多権三 at 2016年03月02日 03:26
博多権三さん、ようこそ。
昔の記事を見つけてコメントいただきありがとうございます。
アリヤドリバチ亜科にも色々いるんですね、同定も難しそう。
標本として保管はしておりませんでした。
飼育しててまた羽化したら連絡しますね。
昔の記事を見つけてコメントいただきありがとうございます。
アリヤドリバチ亜科にも色々いるんですね、同定も難しそう。
標本として保管はしておりませんでした。
飼育しててまた羽化したら連絡しますね。
Posted by release-windknot
at 2016年03月02日 21:33
