2009年06月09日
ハヤシクロヤマアリとヤマビル注意報・マダニもね

鈴鹿山脈の山道を歩いてみた。
写真はケバエのような獲物を運ぶハヤシクロヤマアリ。
当地ではハヤシクロヤマアリは鈴鹿山脈や養老山地に入ると見ることが出来る。
標高はさほど上げなくても見つかる。
写真は標高300メートル付近だがもっと低くても居る。
標高を上げても日当たりの良い場所はクロヤマアリが占拠し、ハヤシクロヤマアリは日陰に多い。
日本産アリ画像データベースではクロヤマアリとの見分けについて、
>頭部上端はクロヤマアリと違って少し光沢がある。野外において,クロヤマアリでは腹部背面が灰色っぽいのに対し,本種ではビロードのような光沢があるので区別は容易である。しかし,標本では腹部第2節背面上に立毛(剛毛)がほとんどない点で,クロヤマアリやヤマクロヤマアリから区別できる。頭部は細長く,体全体もほっそりとしている。
と記載されている。
最初はこの違いが分からなかったんですよ。
見た目のほっそりした感じで見分けるのは難しい。
比較対象が手元にそろっていればクロヤマアリのずんぐり感と見分けが付く。
しかし別々に歩き回っているときには見る角度も一定にできないのでほっそりとずんぐりが分かりにくい。
今では目が慣れてきて色の違いで見分けが付くようになった。
>クロヤマアリでは腹部背面が灰色っぽいのに対し,本種ではビロードのような光沢があるので・・・
の部分、
腹部はクロヤマアリでもビロードのような光沢がある。
しかし自然光下ではハヤシクロヤマアリは金色っぽく光る。
体全体の色の印象もクロヤマアリが灰色っぽくハヤシクロヤマアリはもう少し黒味が強い。
自然光下で両種を並べて、見え方の違いを写真に撮ろうと思った。
しかし動き回る相手、全く上手くいかず。

ケバエを運ぶアリの後をつけているとハヤシクロヤマアリの個体数が多くなってきた。
こちらはハサミムシっぽい獲物を運んでいる。
近くにコロニーがある。
今までハヤシクロヤマアリの巣口を見つけても硬くて掘れない状況ばかりだった。
今回はどうだろう。
上手くいけばコロニー採取も・・・

足元を這ってくるこいつ。
ヤマビルの登場である。
鈴鹿山脈も養老山地もヤマビルが多い。
ハヤシクロヤマアリとヤマビルの生息地は重なってしまうことが多いのだ。

1匹見かけたらその場所には他にもいると思ったほうが良い。
頭をもたげて尺取虫のように近付いてくるヤマビル。
足元で数匹の活動を見た。

上からも降ってくる。
袖口に落ちてきて手首に移動したヤマビル。
これは体を伸ばせば8センチくらいになる大物。
大きくなると引き剥がそうとしても吸盤が強い。
1センチくらいの小さいほうが体にくっついても気付きにくい。
Um~!まったくやる気を失くさせるぜ、こいつら。
ハヤシクロヤマアリの巣口の発見は諦めて日当たりの良い開けた場所に移動。
体をチェックしてみる。
すでに足首に3匹上がっていた。
シャツの上にも1匹。
先ほどの手首の1匹を合わせて5匹が体に取り付いていた。
足首の1匹は皮膚を破りかけたところで赤い点ができたが出血は免れた。
ヤマビルに血を吸われても重症になるような感染症には掛からないようだ。
でも数時間も出血が止まらないのは憂鬱でしょうがない。
幸い今までは吸われる前に気付いてきたのでその状態になったことはない。
近年ヤマビルの分布が拡大していると聞く。
乾燥と寒冷には弱いようだ。
中部地方の垂直分布の上限は標高6~7~800メートルに有るんじゃないかな?かなりアバウトだけど。
ヤマビルのいない地域の方が羨ましかったりもする。
これから山に入る人、気をつけてちょう。
ついでに野外観察でもうひとつ厄介なのがマダニの類。

これはワンコが公園の草地からくっつけてきたマダニ。
幼体なのか体長は2ミリほど。
人間にくっついても小さくて気付きにくい。
野生動物がいる草地にはどこにでも居ると思ったほうが良い。
葉っぱの先端で動物が通るのを待ち構えて取り付く。
今まで2度、体に食い込んだことがある。
風呂で気付いて2度とも無理やり引き剥がした。
しかし感染症を防ぐ為に医者に行ったほうが良いようである。
医療費が掛かるのも厄介だね。
>頭部上端はクロヤマアリと違って少し光沢がある。野外において,クロヤマアリでは腹部背面が灰色っぽいのに対し,本種ではビロードのような光沢があるので区別は容易である。しかし,標本では腹部第2節背面上に立毛(剛毛)がほとんどない点で,クロヤマアリやヤマクロヤマアリから区別できる。頭部は細長く,体全体もほっそりとしている。
と記載されている。
最初はこの違いが分からなかったんですよ。
見た目のほっそりした感じで見分けるのは難しい。
比較対象が手元にそろっていればクロヤマアリのずんぐり感と見分けが付く。
しかし別々に歩き回っているときには見る角度も一定にできないのでほっそりとずんぐりが分かりにくい。
今では目が慣れてきて色の違いで見分けが付くようになった。
>クロヤマアリでは腹部背面が灰色っぽいのに対し,本種ではビロードのような光沢があるので・・・
の部分、
腹部はクロヤマアリでもビロードのような光沢がある。
しかし自然光下ではハヤシクロヤマアリは金色っぽく光る。
体全体の色の印象もクロヤマアリが灰色っぽくハヤシクロヤマアリはもう少し黒味が強い。
自然光下で両種を並べて、見え方の違いを写真に撮ろうと思った。
しかし動き回る相手、全く上手くいかず。

ケバエを運ぶアリの後をつけているとハヤシクロヤマアリの個体数が多くなってきた。
こちらはハサミムシっぽい獲物を運んでいる。
近くにコロニーがある。
今までハヤシクロヤマアリの巣口を見つけても硬くて掘れない状況ばかりだった。
今回はどうだろう。
上手くいけばコロニー採取も・・・

足元を這ってくるこいつ。
ヤマビルの登場である。
鈴鹿山脈も養老山地もヤマビルが多い。
ハヤシクロヤマアリとヤマビルの生息地は重なってしまうことが多いのだ。

1匹見かけたらその場所には他にもいると思ったほうが良い。
頭をもたげて尺取虫のように近付いてくるヤマビル。
足元で数匹の活動を見た。

上からも降ってくる。
袖口に落ちてきて手首に移動したヤマビル。
これは体を伸ばせば8センチくらいになる大物。
大きくなると引き剥がそうとしても吸盤が強い。
1センチくらいの小さいほうが体にくっついても気付きにくい。
Um~!まったくやる気を失くさせるぜ、こいつら。
ハヤシクロヤマアリの巣口の発見は諦めて日当たりの良い開けた場所に移動。
体をチェックしてみる。
すでに足首に3匹上がっていた。
シャツの上にも1匹。
先ほどの手首の1匹を合わせて5匹が体に取り付いていた。
足首の1匹は皮膚を破りかけたところで赤い点ができたが出血は免れた。
ヤマビルに血を吸われても重症になるような感染症には掛からないようだ。
でも数時間も出血が止まらないのは憂鬱でしょうがない。
幸い今までは吸われる前に気付いてきたのでその状態になったことはない。
近年ヤマビルの分布が拡大していると聞く。
乾燥と寒冷には弱いようだ。
中部地方の垂直分布の上限は標高6~7~800メートルに有るんじゃないかな?かなりアバウトだけど。
ヤマビルのいない地域の方が羨ましかったりもする。
これから山に入る人、気をつけてちょう。
ついでに野外観察でもうひとつ厄介なのがマダニの類。

これはワンコが公園の草地からくっつけてきたマダニ。
幼体なのか体長は2ミリほど。
人間にくっついても小さくて気付きにくい。
野生動物がいる草地にはどこにでも居ると思ったほうが良い。
葉っぱの先端で動物が通るのを待ち構えて取り付く。
今まで2度、体に食い込んだことがある。
風呂で気付いて2度とも無理やり引き剥がした。
しかし感染症を防ぐ為に医者に行ったほうが良いようである。
医療費が掛かるのも厄介だね。
Posted by like a stream at 07:02│Comments(14)
│野外のアリ
この記事へのコメント
初めまして、失礼いたします。
アリの方ではなく、ヤマビルのことを調べておりました。
うわさには聞いておりましたが、鈴鹿山脈は
このような有様なのでありますか!
貴重な写真をありがとうございます。
当地は信州の真ん中なのでヤマビルに会うこともなく...
と思いきや、北アルプスにも目撃例が出ているようです。
また寄らせていただきます。
アリの方ではなく、ヤマビルのことを調べておりました。
うわさには聞いておりましたが、鈴鹿山脈は
このような有様なのでありますか!
貴重な写真をありがとうございます。
当地は信州の真ん中なのでヤマビルに会うこともなく...
と思いきや、北アルプスにも目撃例が出ているようです。
また寄らせていただきます。
Posted by いまるぷ
at 2009年06月09日 15:43

いまるぷさん、ようこそ。
鈴鹿山脈ではちょっと湿った場所に行くとこんな有様です。
うかつに立ち止まれないですね。
>北アルプスにも目撃例
夏場に鹿が運んできて、冬には死滅するパターンでいるのかもしれないですね。
定着しないことを祈る。
鈴鹿山脈ではちょっと湿った場所に行くとこんな有様です。
うかつに立ち止まれないですね。
>北アルプスにも目撃例
夏場に鹿が運んできて、冬には死滅するパターンでいるのかもしれないですね。
定着しないことを祈る。
Posted by release-windknot at 2009年06月09日 23:09
お久しぶりです。
お元気そうでなによりです。
・・と、同郷の方のコメントが!
信州の真ん中というと、諏訪か松本あたりかな。
当地もヤマビルは見かけないですね。
目撃情報も皆無です。
典型的な内陸性気候の伊那谷ですから、寒暖の差が激しいため定着できないのかもしれません。
もう少し南の方にいくと(飯田、下伊那)ヤマビルを見かけることがあるそうです。
ご察しのとおり、鹿が媒介しているとのウワサです。
で、ヤマビルはおいといて(笑)
恒例の観察会を7月18~20日に計画しております。
詳しくはBBSをご覧になっていただくとして、ご都合がつきましたら、またご参加くださいね。
お元気そうでなによりです。
・・と、同郷の方のコメントが!
信州の真ん中というと、諏訪か松本あたりかな。
当地もヤマビルは見かけないですね。
目撃情報も皆無です。
典型的な内陸性気候の伊那谷ですから、寒暖の差が激しいため定着できないのかもしれません。
もう少し南の方にいくと(飯田、下伊那)ヤマビルを見かけることがあるそうです。
ご察しのとおり、鹿が媒介しているとのウワサです。
で、ヤマビルはおいといて(笑)
恒例の観察会を7月18~20日に計画しております。
詳しくはBBSをご覧になっていただくとして、ご都合がつきましたら、またご参加くださいね。
Posted by 土生 at 2009年06月10日 00:28
こんにちは。今回ドキドキしてブログの方を覗きました。ビルでございますね?たーくんの 生息場所では あまり耳にしませんが 海なし県なので ちょっと走ると山々があります。 先日は横根山に観察会に参加して来ました。標高1300メートルです。結婚飛行を目の前でみました。感激しました。ビルは怖いですね?くれぐれも気を付けて下さい。
Posted by たーくん at 2009年06月10日 08:15
土生さん、ようこそ。
BBSもブログも見ておりますよ。
今年もにぎやかになりそうですね^^。
参加させていただきたく思います。
家族の夏休みの予定と相談して考えますのでもうどの日に参加するかもう少し待ってくださいませ。
たーくんさん、ようこそ。
観察会お疲れ様でした。
野鳥や草花など色んな自然に触れられて楽しそうです。
でもアリの結婚飛行に気付いたのはたーくんさん一人かも^^
BBSもブログも見ておりますよ。
今年もにぎやかになりそうですね^^。
参加させていただきたく思います。
家族の夏休みの予定と相談して考えますのでもうどの日に参加するかもう少し待ってくださいませ。
たーくんさん、ようこそ。
観察会お疲れ様でした。
野鳥や草花など色んな自然に触れられて楽しそうです。
でもアリの結婚飛行に気付いたのはたーくんさん一人かも^^
Posted by release-windknot at 2009年06月11日 23:13
ヒルに血ぃ~吸われたら 思うと背筋にすぅ~っと 冷たい汗が(汗)
痛くないんですかねぇ?
痛くないんですかねぇ?
Posted by ittoQ
at 2009年06月13日 12:55

ittoQさん、ようこそ。
小さい頃に田んぼでチスイビルに吸われたことが有ったけど痛くも無く気付かなかったです。
今回ヤマビルに吸われかけた所は未だに赤い点が残って痒いです。
痛くも無く吸われて、取り除いても長時間出血が止まらないんですーー;
ゾーっとしますね。
小さい頃に田んぼでチスイビルに吸われたことが有ったけど痛くも無く気付かなかったです。
今回ヤマビルに吸われかけた所は未だに赤い点が残って痒いです。
痛くも無く吸われて、取り除いても長時間出血が止まらないんですーー;
ゾーっとしますね。
Posted by release-windknot at 2009年06月14日 23:15
何処かの国では ヒルに血を吸わせて病気を治すって聞きましたが(驚)
痛くないんですかぁ
でも痒いんじゃぁ 試しにちょっと吸わせてみるのは止めときます(笑)
痛くないんですかぁ
でも痒いんじゃぁ 試しにちょっと吸わせてみるのは止めときます(笑)
Posted by ittoQ
at 2009年06月17日 18:24

はい、
埼玉ではまだヤマビルはいません。
神奈川の丹沢は大変なそうです。
沢に行く事が多いのでいたらたまらなんでっす。
埼玉ではまだヤマビルはいません。
神奈川の丹沢は大変なそうです。
沢に行く事が多いのでいたらたまらなんでっす。
Posted by いるまえかわ at 2009年06月17日 23:11
ittoQさんへ。
ヒルに血を吸わせる治療ですか(驚)
そんな利用法もあったんですね、あまり受けたくはないけど^^。
痒みは1週間ほどで収まります。
いるまえかわさん、ようこそ。
丹沢のヤマビルは有名ですね。
樹の下で雨宿りしたらえらい目にあったとか、体験談を時々目にします。
埼玉には居ないのは幸いですね。
ヒルに血を吸わせる治療ですか(驚)
そんな利用法もあったんですね、あまり受けたくはないけど^^。
痒みは1週間ほどで収まります。
いるまえかわさん、ようこそ。
丹沢のヤマビルは有名ですね。
樹の下で雨宿りしたらえらい目にあったとか、体験談を時々目にします。
埼玉には居ないのは幸いですね。
Posted by release-windknot
at 2009年06月18日 23:47

ヒルに血を吸わせる治療は父の父(祖父)が昔、していたそうです。
肩こりとかそういう「凝った」部分にヒルを充てて血を吸わせていたそうです。
もちろんそのあとは殺していたそうですが・・
私の近所も戦後すぐは田んぼだらけで父は今では住宅地ばかりの場所に出かけてザリガニ捕りに興じたそうです・・(おやつにしていたそうです)
肩こりとかそういう「凝った」部分にヒルを充てて血を吸わせていたそうです。
もちろんそのあとは殺していたそうですが・・
私の近所も戦後すぐは田んぼだらけで父は今では住宅地ばかりの場所に出かけてザリガニ捕りに興じたそうです・・(おやつにしていたそうです)
Posted by あにまりあ at 2009年06月19日 23:40
あにまりあさん、ようこそ。
日本にもヒルに血を吸わせる治療法があったとは(驚
確かに血の流れは良くなりそうな気がします。
大阪市内で田んぼだらけって今では想像もできません。
日本にもヒルに血を吸わせる治療法があったとは(驚
確かに血の流れは良くなりそうな気がします。
大阪市内で田んぼだらけって今では想像もできません。
Posted by release-windknot at 2009年06月19日 23:50
ヤマビルについて調べていたら偶然こちらにたどり着きました。
先日観察に出かけた山で多数のヤマビルを見たので次は避けたいと思っていろいろ調べておりました所、最も近所の養老山地がヤマビルで有名と言う衝撃の事実を知ってしまいました・・・
観察地も養老山地から山続きの場所だったので知らず知らず『アツい』ところに入ってしまったのかもしれません。
近隣でヤマビルのいない所はないのか必死で調べてます・・・
先日観察に出かけた山で多数のヤマビルを見たので次は避けたいと思っていろいろ調べておりました所、最も近所の養老山地がヤマビルで有名と言う衝撃の事実を知ってしまいました・・・
観察地も養老山地から山続きの場所だったので知らず知らず『アツい』ところに入ってしまったのかもしれません。
近隣でヤマビルのいない所はないのか必死で調べてます・・・
Posted by YOSHIKI KAWANO at 2013年08月22日 00:35
YOSHIKI KAWANOさん、ようこそ。
ヤマビルの地へようこそ^^。
密集地ではほんのちょっと立ち止まっているだけで、地面からも上がってくるし上からも降って来ます。
何時間も血が止まらないのがやっかいですね。
この付近では標高700m辺りが垂直分布の限界みたいです。
ヤマビルの地へようこそ^^。
密集地ではほんのちょっと立ち止まっているだけで、地面からも上がってくるし上からも降って来ます。
何時間も血が止まらないのがやっかいですね。
この付近では標高700m辺りが垂直分布の限界みたいです。
Posted by release-windknot
at 2013年08月23日 21:49
