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2012年09月23日

アギトアリ採取のデータや雑感

採取日時 2012年9月21日19時頃
採取場所 緯度 35.10200427790335
     経度 136.47332668304443 の付近
Google Maps 標高から得られる標高は249m 
車から得られた車外気温23度
天候は晴れ 気候の体感による所感 北西風2~3m/Sくらい 
秋の始まりのような、湿度も低くやや涼しく感じる。
どちらかといえばアリの結婚飛行には不向きな感じ。   
 鈴鹿山脈のピークの一つ、竜ヶ岳のふもと、宇賀渓キャンプ場や登山道の基点となる場所で売店や駐車場もある。
 19時ころ、灯火に寄るアリを探したが条件の悪い日で自販機には全く翅アリは付いていなかった。
自販機の真下を照らすと見慣れない翅アリが・・・。
カワゲラかも?
確認のため近づいてみると・・・特徴的な大顎からすぐにアギトアリが思い浮かんだが、まさか?っていう固定観念もあって大混乱。
とりあえずバンダナで包むようにして捕獲。
ケースに入れて明るい場所に移動して確認。
どう見てもアギトアリでした。

 別の個体がいないか自販機の周りを中心に丹念に探したが見つからず。
雄アリも見当たらない。
ワーカーも見られないことから至近にコロニーがあるようではない。
 数百メートル離れた自販機を2箇所回ったがアギトは見つからず。
ケアリ属など他種も見られなかったことから飛行には不向きな日だったようです。


 自然分布か人為的な移入かについての考察

今回見つけた場所はわざわざ飼育遺棄しにくるような場所では無いと思える。
また植物園のように植物の移植が行われることも無く、港湾のように物資が行きかう場所でもない。

 自然分布に関する記載を日本産アリ画像データベースから引用

>屋久島では平地より標高1,200 mの高所にいたるまで分布している。 中国では北方でも北京より更に北の,北緯40゜を越える地域においても見出されている(寺西, 1936:ただし寺西のこの報告では本種を誤って O. haematda)と同定している(Yasumatsu, 1962) 。日本国内では2005年に、寺山氏と北出氏により北九州市門司区からの分布記録が報告されている(寺山 & 北出, 2005)。 引用終わり

 北緯40度は日本で言えば秋田県や岩手県の北部にあたる。
また屋久島での垂直分布からも少なくとも本州太平洋側の平地や低山であれば気象条件的には生息が可能と思われる。
むしろ生息していないほうが不思議かも。
本州に居ない、または極端に少なくて発見されないのは気象条件よりも別の要因ではなかろうか。
地球温暖化はあまり関連は無いような気がする。

 生息条件に関連した記載をニュースから見つけた。
引用元のURL
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120915-00000016-mailo-l14

>アギトアリは東南アジアの熱帯・亜熱帯地域に分布し、日本では鹿児島県の九州本土と屋久島、種子島、口永良部島で生息。人家のそばなど人の生活圏ではほとんど見られず、森林の石や倒木の下に営巣する。
引用終わり

 今回の一連のニュースでは上記の一文が含まれていないほうが多かった。
>人家のそばなど人の生活圏ではほとんど見られず、
 と言うところがポイントで、生息していても発見されにくいのかも。


 飛行時期に関する考察

ニュースでは7月に
>動物園職員が見慣れない羽を持つアリが飛んでいるのを発見して捕獲した。
とある。

 9月14日付けで東京の某公園でアギトアリの脱翅・有翅女王を採取したことを記したブログの記事を勝手にリンク。
myrmamblysさんのブログ・ありんこ日誌のURL
       ↓
http://arinkosan.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html

 今回の三重県での飛行も併せて、7月と9月は飛んでることが分かった。



 自然分布域が北上しているのかいないのか、人為移植なのか、結論を出すのは難しそうだ。
アギトアリに出会うのはかなり珍しいことではある。
もう一度翅アリに出会うだろうか?付近でコロニーを発見できるだろうか?
誰かがアギトアリに出会う確立を高めるために発見場所の地図を貼って置く。


大きな地図で見る

アギトアリ採取のデータや雑感
 今のところすごく元気です。
昆虫ゼリーを与えたがさっぱり食べる気配がない。
水を含んだティッシュから水分補給しているようには見える。
たまに大あごを開いている。
何かを威嚇しているのか、ケース内に何もいないのに捕食体制か。
小さな昆虫でも与えてみようか。 

アギトアリ採取のデータや雑感
 さっぱり脱翅する気配を見せない。
どうもコロニー化は難しそうだ。




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この記事へのコメント
ウィンドノットさんが採集されたシーンを想像すると、こっちまでドキドキしてしまいます。
そっか、改めて聞いてみると、生息環境についてはっとさせられますね。
先入観を持たず注意して見ようと思います。
Posted by スラダケ at 2012年09月23日 23:02
スラダケさん、ようこそ。

気象条件では日本各地に広く居そうな感じです。
ものすごく稀なのか、もともとは居なかったのか、かつてはもっと多かったけど滅びそうな種なのか、なぞですね。

今回、灯火に集まる可能性が高いことも次回につながる大きな収穫でした。
Posted by release-windknotrelease-windknot at 2012年09月23日 23:44
 今年の蟻研の講演要旨です。私は行かなかったので講演内容は不明です。NK大学のSさんのブログまでチェックしているとは驚きました。同行したSさんとTさんが下記の方々と思われます。個人名と企業名はイニシャルにしました。将来的には「蟻」に載るものだから、ここで公開しても問題ないでしょう。

大阪府箕面市箕面公園におけるアギトアリの生態
S1、O1、T2(1S化学、2T大・教養)
 アギトアリ Odontomachus monticolaは、特徴的な大あごと発達した毒針を持ち、高い捕食能力を備えた大型のアリで、森林や林縁に生息する。日本国内では鹿児島以南で分布が知られていたが、2005年に福岡県、2011年に大阪府・岡山県での生息が報じられた他、関東における生息も確認されている。これは、侵略的外来種アルゼンチンアリの分布拡大を凌ぐ急展開である。最近になって発見された生息地は人為分布なのか、それとも実は自然分布なのか?私たちは遺伝解析、物流調査、生態調査の3つのアプローチを総合して解明しようという研究に着手したところである。その一環として大阪府箕面市箕面公園の生息地におけるアギトアリの生活史を調査している。本講演ではアギトアリをめぐる最近の状況を俯瞰するとともに、本州におけるアギトアリの生態について今まで箕面で得られた知見を中心に紹介する。
Posted by つくば・あべ at 2012年09月24日 05:10
 私はハリアリ類は飼育したことがないけれど、餌が面倒な気がします。オオハリアリは機会があれば飼ってみようかと考えていますが。アギトアリもあの顎の形態から考えても餌は簡単な気がしません。
 メスは単独営巣できるのでしょうかね。ま、今度Sさんに会ったらいろいろ聞いておきます。
Posted by つくば・あべ at 2012年09月24日 05:16
つくば・あべ さん、ようこそ。

情報、ありがとうございます。
アギトアリのなぞの解明、進めたいですね。
こちらでも翅アリの再出現やコロニーの発見に注力してみます。
Posted by release-windknot at 2012年09月24日 21:24
つくば・あべさんが上で紹介されている講演をしたS化学のSです。リンクを貼られている先のNK大のSさんから記事のことを教えていただきました。三重県でのご発見におどろいています。おそらく、かなり近いところにコロニーがあるのだと思います。もしよろしければお手伝いさせてください。
Posted by おおさか・S at 2012年09月25日 12:46
おおさか・Sさん、初めまして。

 私の方こそ、少しでも謎の解明のお力になれればと思います。

 先ずはコロニー探しですが、私が運良く発見できたら必ず連絡しますね。
努力しますが、もしも複数の目があれば・・・と、勝手に期待をしております^^。

 今夜も20:30頃に発見場所の自販機に行ってきたのですが翅アリ遭遇の再現は叶いませんでした。
Posted by release-windknot at 2012年09月25日 23:53
おお、ご本人登場とは。面白くなりそうですね。食性を教えてください。働蟻を餌に集めて、巣に戻るのを追跡する方法は可能なのですか? 
Posted by つくば・あべ at 2012年09月26日 03:43
windknotさん、
また見つかること期待しています。大阪箕面でも有翅・脱翅女王が出ています。

あべさん、
東京の大学のEさんがベイト調査でアギトアリがたくさん集まったとおっしゃっていたので、ベイトによるトラッキングは可能と思います。食性は、箕面での観察では、小さな昆虫類がメインで、糖蜜に群がったり植物種子を運んだりする様子はみたことがありません。どのような餌を好むか、時間があったら今週末にでも箕面でトラップを仕掛けてみますね。
Posted by S at 2012年09月26日 08:33
 さっそくのお返事ありがとうございます。K県、N県、T都のEさんですか?
 私は巣口確認調査はオオアリしか行った事がないので、アギトアリは考えただけで大変そうですよね。今後、あちこちで見つかりそうですから面白い展開になりそうですね。個人的には人為的でないことを期待したいです。
Posted by つくば・あべ at 2012年09月26日 13:10
つくば・あべ様、S様、情報ありがとうございます。

>どのような餌を好むか、時間があったら今週末にでも箕面でトラップを仕掛けてみますね。

結果を教えていただけると助かります。

餌を持ったワーカーを辿ればコロニーを探すことが出来そうです。
Posted by release-windknot at 2012年09月27日 21:58
はじめまして

私も東京都の公園で発見したことが有ります。

公園内の離れた2箇所で発見しましたので別のコロニーの個体かと思います、

私個人の見解としては、日本が過去の温暖だった時期に北上してきた個体の生き残りではないかと思っています。
Posted by aki at 2012年09月27日 23:23
akiさん、初めまして。

>私個人の見解としては、日本が過去の温暖だった時期に北上してきた個体の生き残りではないかと思っています。

そうですね、そういう考え方もありなのかと思います。

 形態が余りにも古くて、温帯域ではそれ向きに進化した種に追いやられているような・・・そんな気もします。
Posted by release-windknotrelease-windknot at 2012年09月28日 00:01
生き残り説を否定はしませんが、あれだけ大きな働蟻で地上活動をする種を見逃しているとは思えません。地中活動をしている小さなハリアリではありませんから。
Posted by つくば・あべ at 2012年09月28日 07:24
windknotさん、
返信おそくなってすみません、昨夜から今日にかけて台風のため調査はできず終いでした。
また今週機会をみつけられればと思います。何かわかりましたらご報告します。

akiさん、
はじめまして。東京の公園で発見されたアギトアリは、リンクした武蔵村山とは違う場所ですか?差支えなければ教えてください。
Posted by S at 2012年09月30日 23:24
 
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