カワラケアリ 続き

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2010年05月08日 01:35


  2009年10月10日の前記事はこちら。

  4匹の多雌で飼育と単独で飼育のその後です。

  最初の写真は単独飼育の様子から。
 繭が出来始めた。
 暖かくなってきたら産卵も増えて順調。  

  4匹で飼育していて1匹しか産卵しない状態。
 前記事では
 >何か産卵を抑制するメカニズムが働いているのかも知れない。
 と書いた。

  それを確かめるべく昨年末に4匹のうち1匹を単独にしてみた。
 暖かくなってきたらモリモリ産卵を始めた。



  比較対象となる3匹飼育のケースでは・・・
 相変わらず卵を抱えているのは1匹の状態が続いている。

  ところで写真に写っているのは2匹。
 今月に入って1匹が死んだからだ。
 原因が抗争によるものかは不明。
 ただその翌日、卵を抱えている個体だけが腹部が膨らんだ。
 飼育ケースの中で他者を抑えて独占状態。
 と思いきや・・・


  ケースの中で唯一の繭を失敬して抱え込んだ。
 この状態でワーカーが誕生したら逆転もあるかもしれない。
 産卵を押さえ込まれてもこういう手段があるんだ。
 全くの予想外。


  >何か産卵を抑制するメカニズムが働いているのかも知れない。  
 の何かは、やはりフェロモンだろう。
 カワラケアリは多雌多巣性なんだが〝多巣〟と関係があるのかもしれない。
 それ故に分巣して河原の広い範囲を占拠する巨大コロニーができるのかも。
 産卵が抑制されなければ条件の良いところから出て行く必要がなさそうだ。

  産卵を抑制するフェロモン、アリの本でもでてくる。
 でもワーカーの卵巣の発達した種ではワーカーに産卵させない為の話しだ。
 カワラケアリってワーカーは産卵するのか?
 するとすれば、それが同居する女王にも効いている。
 産卵しないのであれば目的は同居女王を追い出すためか。

  産卵を抑制するフェロモン、シロアリでも出していると考えられている。
 雌のニンフは女王になる素質があるらしい。
 でも現女王が死んでも女王になれるのは1匹だけ。
 あとは翅を生やして、わずかな新コロニー創設の可能性に掛けて飛んでいかなければならない。

  変わったところでは他種の産卵を抑制する生き物もいる。
 ブルーギルは天敵のブラックバスの産卵を抑制するフェロモンをだすらしい。
 故にブルーギルの密度が濃くなるとバスは容易には増えられない。

  他種の産卵を抑制するフェロモン!
 アリの場合はどうなんだろう。
 寄生先の女王を直接殺さないタイプの寄生種。
 これを確認するには女王のいるコロニーに、寄生を成功させなければならない。
 さらに相手の女王の産卵が止まるか注意深く観察せねばならない。



  誰かやってくれんかな。
  


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