アジサイの枯れ枝からアリを採取してみる

like a stream

2008年11月11日 23:13


  枯れ枝には様々な樹上営巣種のアリが住み着く。
 気温が下がるとアリの活動が鈍って逃げ足が遅いので採取がしやすくなる。
 アジサイは芯がスポンジ状になるのでハサミがあれば枯れ枝を暴くのが簡単だ。
 山あいではイタドリなど芯が空間になる植物も多い。

  庭のアジサイの枯れ枝をを少し折ってみた。
 最初に出てきたのはヒラフシアリ。

  手に持った12ミリほどの枯れ枝の両端付近に1ミリ程度の穴が開いている。
 この小さな穴は恐らく別の昆虫が出てきた穴だと思われる。
 それをアリが利用する。
 巣口がこの大きさだとかなり小さな種だ。


  枝をキッチンバサミで慎重に切り進みひっくり返した画像。
 手だけで枝を折ることも出来るがアリを潰してしまう可能性が高まるのでハサミはあったほうが良い。

  穴の開いていた部分が黒化しそこかららせん状に広い通路が掘られ繋がっている。
 黒化した部分が元々の住人が開けた部分でそれを繋ぐ通路がアリが掘った部分であろう。 
 現在の住人はヒラフシアリ。


  カタアリ亜科に属す2.5ミリほどの小さな種だ。
 初めて見た時は色のくすんだアメイロアリかと思った。
 しかし表皮はカタアリ亜科らしく固めに出来ている。
 
  庭にも幾つかコロニーがあるようでたまに庭木の低いところを歩いているのを見かける。
 地上では見かけない。
 しかし庭木の高いところのカイガラムシやアブラムシに寄っているのも見ない。
 普段はどこで何をしてどうやってコロニーを維持しているのか?
 私の中では未だに謎めいた種である。

  女王は3.5ミリほどしかない。
 まだ女王を含めたコロニーを捕ったことが無い。
 飼育した事もないので女王アリを見つけたい。
 ケースに移し女王を探したが見付からなかった。
 本隊とは別にサテライトの巣を作るようだ。

  別の枯れ枝にも小さな穴があったので割ってみたら数匹のワーカーのいるサテライトだった。
 行動観察から本隊はもっと切り株の根っこのほうにいると思われる。
 樹木の低いところで見られるのは単に本隊とサテライトを行き来しているだけなのか。
 採餌に出かけているのでは無いかも知れない。
 ひょっとしたら気の根っこでアブラムシかカイガラムシでも飼っているのか?
 いずれ調べてみたい。




あなたにおススメの記事
関連記事