なぜ蛹で越冬できないのか
11月18日の記事の続きです。
10個以上あったオオズアリの兵アリの幼虫の一つが11月25日頃に蛹化した。
無事に羽化することは無いと思いつつも期待したのだが・・・
写真の日付は11月27日。
中途半端に食べられてゴミ捨て場に捨てられた。
11月28日、別の幼虫が蛹化した。
しかし触角のあたりが乱れている。
蛹化した時に完全体でなければ上手く羽化できない。
これが寒さが原因なのかは分からない。
翌日にはこの蛹は消えていた。
他に幾つか残っていた前蛹も無くなった。
恐らくは食べられたのだろう。
幼虫が成熟して脱糞して前蛹状態になると、寒くてももう蛹化は止められないようだ。
マイナーワーカーの幼虫も沢山あるが前蛹化するものは今のところ皆無。
なぜか兵アリの幼虫は冬を意識できずに育ってしまった。
この部分にも兵アリと働きアリの差が見られる。
無事に蛹になって更に蛹の状態で越冬できれば何の問題も無い。
蝶なんかは蛹で越冬する種も見られる。
土中営巣種のアリは蝶よりも明らかに寒さをしのぎやすいのに蛹で越冬できない。
アリは卵も幼虫も成虫も越冬できるのに私の知る限り蛹で越冬できる種はいない。
完全変態する昆虫は蛹化するときに主要器官を残して体内がドロドロになり、成虫に成るための体のパーツを構成しなおす。
アリの場合は幼虫から蛹になった時にタンパク質の質が変化して耐寒能力が極端に落ちるんでしょうね。
残る兵アリサイズの幼虫は2個。
一つがまた前蛹状態になり一つはまだ脱糞していない。
どうなるのか、暫らく観察を続けてみます。
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