まずは全体像。
4ミリを少し超えるくらいの体長。
J.antデータベースの検索システムに沿って調べていく。
ケアリ属で、小あごひげが長いのでケアリ亜属へ
次の分岐点
>触角柄節に伏毛はあっても立毛はほとんどない(図3.24a);
>前脚脛節外縁に基部を除き立毛はほとんどない(図3.24c)
を検証していく。
触角柄節と前脚脛節外縁が分かりやすいシルエット。
触角柄節に軟毛は見られるが立毛と呼べるほどの毛はない。
前脚脛節外縁を分かりやすくしたシルエット。
ピンボケではあるけど他の写真とあわせて基部以外に立毛はないと判断できる。
この時点で種としてはヒゲナガケアリかヒメトビイロケアリに絞られる。
上を順光で写してみた。
次の分岐は触角柄節の長さ。
>体色は頭部と腹部が暗褐色、胸部は褐色;触角柄節は長く(SIは112-124)、
>頭部後縁を超える長さは柄節全長の約1/3(図3.25a);触角柄節は短毛で密におおわれる
2匹のサンプルの頭部を出来るだけ正面から撮って計測。
柄節長/頭幅×100のSI比率は137くらい。
頭部後縁を超える長さの比率は0.36くらい。
このアリの場合、頭部自体が小さめなのでこんな比率になる。
ヒゲナガケアリの場合、サンプル画像を見ると体全体に対しての頭部の比率が大きい。
ヒゲナガケアリの頭部の横幅は腹部と同じくらいある。
このアリでは腹部の横幅よりも優位に小さい。
しかし検索してたどり着くのはヒゲナガケアリ。
Jantの解説では
体長3.5~4.5 mm。頭部と腹部が暗褐色で,胸部は褐色を示す。触角柄節が本亜属中最も長く,頭幅の1.12倍以上。触角柄節および前脚脛節に通常立毛がない。腹柄節の先端は側方から見て鋭角的に細まる。
落葉広葉樹林内の倒木や切株中,あるいは立木の根元近くの腐朽部に営巣する。結婚飛行は8~9月に行われる。
腹柄節の先端を分かりやすくしたシルエット。
同、順光。
腹柄節の先端は鋭角的に見える。
トビイロケアリのそれとは違う。
参考日本産アリ類画像データベースの
ヒゲナガケアリ
ケアリ亜属の中で色と形から一番印象に近いのはトビイロケアリ。
で、同定の結果は
触角柄節と前脚脛節の立毛と触角柄節の長さと腹柄節の形状は、ある程度マッチするけど体色体全体の フォルムが違うヒゲナガケアリ?ってとこでしょうか。
未記載種かな?
将来同様の形状の種が記載されるとモヤモヤが晴れるんだが。
とりあえず勝手にホソヒゲナガケアリってしておこう。
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